汗をかけない人が増えている
不要な熱は汗をかくことで身体から奪われ、体温調節がされます。 ところが最近、汗をかけない人が増加。 すると、熱は外に出れず身体の中にこもってしまいます。 身体の表面や上半身・頭に、必要以上に熱がこもってしまった状態が「ほてり」です。
熱が外に出れない状態
熱がこもってほてっている人もいれば、ほてっているからたくさん汗をかくという人もいらっしゃいます。 しかしほてりから汗をかく人をよく観察すると、頭や首・上半身からは、 たくさん汗をかきますが、下半身は汗をかかないという人が多いようです。
たとえば、 日常生活において、脚からダラダラ汗をかくことはあまりありませんが、 脚も汗をかいています。 目に見えなくても、汗は身体全体から蒸発することで、余分な熱をコントロールしています。 ところが、身体全体からバランスよく汗がかけない人が増えているのです。
(異常に大量の汗をかく人は、何か他の病因があることもあります。 心配な方は医療機関で検査することをお勧めします。)
汗をかけないとは?
汗腺がうまく働かない、さぼっている、休業中、冬眠中、ということ。
ではなぜ汗腺が働かなくなってしまっているのでしょう? それは、汗をかく機会が減ってしまっているから。 使われないから機能が低下するのです。
冬に冷えてしまった身体、 夏、汗をかくことによって、自然に冷えを追い出しているのです。 ところが最近、夏はどこでも冷房ガンガン、汗をかくことが少なくなりました。 汗をかくどころか、冬より身体が冷えてしまったり。
また、日頃あまり身体を動かさない、汗をかくことがあまりないなど、 汗をかく必要が少ないと、汗腺が休業し、汗がかけない身体に…。
では、汗腺を目覚めさせるには?
全身運動で汗を流したり、 半身浴・足浴などで汗がでるくらい温まったりして、 汗をかいて休んでいる汗腺を使ってください。
また皮膚の表面を直接さすって、軽く刺激を与えるとよいでしょう。 特に汗をかきづらい脚をやっていただきたいものです。 汗腺に刺激を与え、目覚めさせるのです!
さらに*「てい鍼」を使うと、すご~く効果的。 私は治療中患者さんに、てい鍼をよく使用しますが、 患者さんの皮膚から、じんわり汗が出てきます。 これは治療が効いているgoodサイン。 次第に皮膚に弾力が出て、生き生きしてきます。
皮膚表面に熱がこもったタイプ
ローション・クリームなどの塗りすぎで毛穴が閉じてしまい、 皮膚呼吸が妨げられてしまっているもの。 特に脚・足でよく見かけます。
汗をかくと、その汗が皮膚についている余分なクリーム・油分などと混じり合い、 ドロドロっとして皮膚表面に停滞、 そのドロドロが蓋となり、汗が蒸発しづらくなります。 皮膚の「息苦しいよ~!」という声が…。
こういう状態のふくらはぎは、 熱がこもってパンパン、むくんで、だるいし、スッキリしない。
長年たっぷり塗り続けていると、毛穴を閉じてしまうだけでなく、 吸収しきれない成分が、皮膚の表面近くにたまっています。 それがさらに皮膚の呼吸・熱の発散の妨げに。
ローションやクリームを塗ってはいけないというわけではありません。 過ぎたるは及ばざるがごとし、ということです。 夏はそれほど皮膚が乾燥しないので、 たまにお休みを与えてもよろしいかと思います。 毎日身体にローション・クリームなどを塗っていいる方、 ちょっと注意してみて下さい!!